名古屋大学は、平成29年度に情報学部を新設しました。
情報技術の急速な発展は、我々の生活を大きく変化させてきました。例えば、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の普及により人と人とのコミュニケーション方法は大きく変化しましたし、検索エンジンは我々が新しい知識を得る手段を変革しました。また、情報技術の発展は、例えば、遺伝子が持っている情報を分析することで生命について調べる生物情報学(バイオインフォマティクス)といった新しい科学分野を切り開いてきました。
このような流れは、ますます加速しています。近い将来には,機械が人間に代わって自動車を運転する自動運転や、過去の健康・医療情報を分析することで人々の健康を増進させる予防医療など、様々なイノベーションが実現するでしょう。さらには、人間を超える知能を持った人工知能が実現するとも言われています。
一方で、急速な情報化による社会の変化は、人々にも大きい影響を与えていますし、情報倫理や個人情報保護といった新しい課題を生み出しています。情報社会の健全な発展のためには、人間や社会を情報という観点から見つめ直す必要があるのです。
このような状況を踏まえて、名古屋大学では平成29年度より、「情報」に関して、科学的、技術的、人文社会的などの多様な側面から総合的に教育・研究する学部として情報学部を開設し、社会のニーズに応える新たな情報人材の育成を開始しています。
「情報」を活用して社会を変革し、人類の課題を解決するチャレンジ精神を持った学生の皆さんが入学されることを期待しています。
1
学科横断の専門基礎教育
自然や社会を大きなシステムとしてデータ・数値などを用いて普遍的に理解し、人類の直面する課題の解決・新しい価値の創造につなげるために
①情報科学技術の基礎
②自然と社会をシステムとして理解するための基礎
③論理的に考えるための基礎についての教育を実施して、文系・理系の境界を越えた立場から情報学を幅広く学んだ、広い知識と視野をもった融合型人材を育成します。
2
専門性と総合性を加味した
専門教育
本学部では、自然情報学科、人間・社会情報学科、コンピュータ科学科の3学科において、それぞれに特徴的で先端的な専門性を深めます。
それと同時に、情報倫理と法律、マネジメントなどの科目を通して、自分の専門領域を、異なる専門領域とつなげて考察し発想する総合性を学び、社会との関係性を重視した教育を行います。
さらに、専門英語や専門論文作成等の講義を通して、高度研究者を目指す人材の育成を行ないます。
3
柔軟なカリキュラム編成と
クォーター制の導入
1、2年生において、主に情報学の基礎知識を身につけ、3年生から専門を決めていくレイト・スペシャリゼーションの考えを導入しています。
入学後、専門基礎の教育を受けているうちに、興味が他学科の専門に移ったとしても、3年生進級時に、それまでと異なる学科に転学科することが可能になるような柔軟なカリキュラム編成を行います。
さらに、1年間の前期と後期それぞれを2つに分けた4期で構成するクォーター制を採用します。3年生と4年生の前期の第2期を空けることで、海外留学やインターンシップに参加しやすくします。
自然情報学科
人間・社会情報学科
コンピュータ科学科